●アニスは古代エジプトでミイラを作るとき防腐剤として使われていました。それ程歴史のあるスパイスなのです。また地中海沿岸が原産地なのでヨーロッパでは古くから庶民に親しまれてきました。古代ローマ時代には祝宴の最後にアニスとクミンで香りをつけた甘いケーキがふるまわれました。このケーキには消化を助ける作用もありました。現代の結婚式でウェディングケーキを出す習慣はこの時代のアニスケーキに由来します。アニスは高さ５０ｃｍになるセリ科の一年草で温暖な気候を好みます。スパイスとして使う果実は２つの果実が合わさって卵形をしています。香りも味も甘さが特徴で,甘草によく似た風味がします。
●利用
ケーキやビスケット、パンに粉末を練り込みます。カレー、スープ、ピクルスにはホール状のアニスを砕いて香味づけに。中国の混合スパイス、五香粉にも入っています。香料としてリキュールやキャンディ、薬にも利用されています。
●効能
殺菌,消毒,消化促進,口臭消しの作用があります。インドでは食後にアニスの種子を噛む習慣が今日でもあります。薬用としては健胃、整腸、去痰などに用いられています。
●香り
甘草によく似た甘い香りと味がします。この香りはフェンネルやスターアニスと共通するものですが、なぜなら主成分が同じアネトールだからです。
